編集チーム/凹凸凸凹保育園
2025年02月07日
朝から晩まで忙しく、子どもの支度を手伝い、ごはんを作り、片付けて、寝かしつける…。気がつくと、今日もまた「早くして!」「どうしてできないの?」と声を荒げてしまっている。
「私、子育てに向いていないのかもしれない…」
「周りのお母さんたちはもっと上手にできているのに…」
「どうしてうちの子だけ…?」
そんな風に感じたことがある方は、多いのではないでしょうか。
でも、それは本当に「お母さんのせい」なのでしょうか?
子どもがご飯をなかなか食べない、着替えを嫌がる、寝つきが悪い、じっと座っていられない…。日々の小さな“困りごと”にどう向き合えばいいのかわからず、「私の育て方が悪いのかもしれない…」と責めてしまう。
しかし、それは「子育てのやり方」の問題ではなく、「子どもの特性」が関係しているのかもしれません。
たとえば、ご飯を食べてくれないのは、好き嫌いが激しいせいではなく、食感や匂いに敏感だからかもしれません。白米のベタつきが苦手、肉の繊維が口に残るのが嫌、香辛料の強いにおいが刺激的すぎる――こうした「感じ方の違い」が、食べられない理由になっていることがあります。
寝るのが苦手なのは、単なる夜更かしではなく、体内時計のリズムがズレやすい、布団の感触が気になる、眠ること自体に不安を感じてしまうなど、脳の働きや感覚の特性が影響している可能性もあります。
「なんでできないの?」ではなく、「どうして難しいのか?」を考えてみる。
子どもの「困りごと」の背景にある特性を知ることで、適切な接し方が少しずつ見えてきます。そして、子どもだけでなく、お母さん自身も気持ちが楽になるはずです。
「療育」という言葉を聞いたことはありますか?
「うちの子には関係ない」と思われるかもしれません。しかし、療育は特別なものではなく、「子育てが大変」「どう関わればいいかわからない」と感じるお母さんのためにもあるものです。
「療育」とは、発達の特性に合わせた関わり方を学びながら、子どもが成長しやすい環境を作ることを指します。特別な支援が必要な子どもだけでなく、「育てにくさを感じる」「どう接すればいいかわからない」と悩む親御さんにとっても、役立つ知識やアプローチが詰まっています。
たとえば、
こうしたアプローチを知ることで、「なぜうちの子は○○が苦手なんだろう?」という疑問が、「この子にはこういうサポートが合っているんだ」という理解に変わるかもしれません。
このブログでは、発達特性のある子どもの「生活の困りごと」に焦点を当て、その原因と対処法をわかりやすくお伝えしていきます。
「子育てが苦手」なのではなく、
「子どもの特性に合った方法を、まだ知らないだけ」かもしれません。
少しでも気持ちが軽くなるように、一緒に考えていきましょう。
「せっかく作ったのに、どうして食べてくれないの?」
「お腹が空いているはずなのに、なぜ?」
子どもが偏食で悩むお母さんは多いです。特に発達特性のある子どもは、食事に対するこだわりが強く、限られたものしか食べたがらないことがあります。「同じものばかり食べたがる」「一口も食べようとしない」「食べ物のにおいだけで拒否する」といった行動が見られると、親としては心配になってしまうものです。栄養バランスが偏るのではないか、食べないことで成長に影響が出るのではないかと、不安が募ります。しかし、子どもが「食べたくない」と思う背景には、単なる食べ物の好みではなく、感覚過敏 が影響していることがあるのです。
例えば、「白米が苦手」という子どもは少なくありません。親からすると「味がないし食べやすいはず」と思うかもしれませんが、実は白米の食感を砂を噛んでいるように感じる ことがあります。米粒同士がくっつく感触が嫌だったり、口の中でベタベタするのが不快だったりする場合もあります。また、肉や魚が苦手な子どもは、「噛み切れない」「飲み込めない」という理由で避けていることがあります。これは単なる好き嫌いではなく、咀嚼の感覚をうまく処理できていない 可能性があるのです。
また、食べ物の温度に敏感な子どももいます。親が「適温」と思って出した料理でも、「熱すぎる」と感じたり、「冷たすぎる」と違和感を持ったりすることがあります。温度だけでなく、においや見た目にも敏感な子どももいて、「食べ慣れないものは口に入れたくない」という心理が働くこともあります。「カレーのにおいが強すぎる」「野菜の青臭さが気になる」など、食事中に五感を通じて感じる情報が多すぎると、ストレスを抱えてしまうのです。
では、どうすればよいのでしょうか? まず大切なのは、「どうして食べないの?」と問い詰めるのではなく、「どうしたら食べやすくなるか?」という視点で考えることです。子どもが食事を嫌がる理由が感覚過敏 にある場合、少しの工夫で食べやすくなることもあります。
例えば、食感が気になる場合は、白米を少し柔らかめに炊いたり、雑穀を混ぜて粒の感覚を変えたり、パンや麺類に置き換えるといった工夫ができます。肉が苦手なら、ひき肉を使って柔らかくする、スープに入れて煮込む、魚の骨を完全に取り除いて食べやすくするのもよい方法です。温度に敏感なら、「冷ました状態で出す」「ぬるめの温度を意識する」など、無理に熱々を食べさせようとせず、子どもが食べやすい温度に調整するとよいでしょう。
また、「楽しく食べる環境づくり」 も大切です。感覚過敏がある子どもにとって、「食べること=つらい時間」になってしまうと、ますます食事へのハードルが高くなってしまいます。テーブルの上をすっきりさせ、余計な刺激を減らす工夫をしてみましょう。テレビの音や周囲のにおいが気になる子どもには、できるだけ静かな環境を作るのも効果的です。また、好きなキャラクターの食器を使うことで、食事の時間を楽しく感じられることもあります。
「せっかく作ったのに」とがっかりする気持ちは当然のものです。しかし、子どもにとって「食べる」という行為がどれほどの負担になっているのかを知ることで、無理に食べさせようとするのではなく、少しずつ慣れていくサポートができます。大切なのは、「この子にとって、どうしたら食事が楽になるのか?」という視点を持つことです。そして、少しでも食べられたら「食べられたね!」とポジティブな声かけをすることが重要です。子ども自身が「食べることが楽しい」と思えるようになれば、少しずつ食べられるものが増えていくかもしれません。
コラム|感覚過敏とは?
「服のタグがチクチクする」「人混みの音がうるさすぎる」「特定の食べ物の食感がどうしても無理」――こうした感覚に対する過敏さは、発達特性のある子どもに多く見られる特徴の一つです。これは「感覚過敏」と呼ばれ、日常生活のさまざまな場面で困りごとを引き起こすことがあります。
感覚過敏とは?
感覚過敏とは、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚・前庭感覚(バランス感覚)・固有感覚(筋肉や関節の感覚) などの刺激を、通常よりも強く感じてしまう特性のことを指します。
例えば、
- ・聴覚過敏 → 周囲のちょっとした音でもうるさく感じる。掃除機の音、食器が当たる音、教室のざわめきなどがストレスになる。
- ・触覚過敏 → 服のタグや靴下のゴムの締めつけが不快。手をつなぐのを嫌がる。
- ・味覚過敏 → 特定の味や食感が苦手で、偏食が極端になる。
- ・嗅覚過敏 → 香水や食べ物の匂いに敏感で、気分が悪くなることも。
- ・感覚過敏の程度は子どもによって異なり、特定の感覚だけが過敏なこともあれば、複数の感覚に影響を受けることもあります。
感覚過敏の背景にあるもの
感覚過敏は、脳が「刺激の強さを調整する機能」に影響を受けていることが原因と考えられています。通常、人は不要な情報を適度にフィルターにかけることができますが、感覚過敏のある子どもは、その調整がうまくいかず、小さな刺激でも強く感じてしまうのです。
例えば、周りの人が話している声、エアコンの音、車のクラクションなどがすべて一度に聞こえてしまい、パニックになることもあります。
感覚過敏への対応方法
感覚過敏の子どもにとって、刺激を少なくする工夫が重要です。
1. 環境を整える
- ・聴覚過敏 → ノイズキャンセリングヘッドホンや耳栓を活用する。
- ・触覚過敏 → 肌触りのよい服を選び、タグを切る。
2. 刺激に慣れる練習をする
少しずつ慣れることで、過敏さが和らぐことがあります。たとえば、苦手な食感のものを小さく切って試す、苦手な音を小さい音から聞くなど、段階的に慣らしていくことがポイントです。
3. 子どもの気持ちを尊重する
「気のせい」「慣れれば平気」と押しつけるのではなく、本人の感じ方を大切にしながら対応することが大切です。
食事中、子どもがすぐに背中を丸めたり、机に突っ伏したりすることに悩んでいるお母さんは多いのではないでしょうか。宿題をしていると、椅子の上で膝を立てたり、ゆらゆらと体を揺らしながら取り組んでいたり、ひどいときには床に寝転んでしまうこともあります。見ている側としては「姿勢を正しなさい!」と声をかけたくなりますが、注意をしてもすぐにまた姿勢が崩れてしまうことが多いです。
「だらしない」「行儀が悪い」と捉えられがちなこの行動ですが、実は発達特性のある子どもにとっては、無意識のうちに体を楽な状態にしている という可能性があります。つまり、姿勢をキープし続けるのが難しいからこそ、無意識に崩れてしまう のです。
発達特性のある子どもの中には、固有覚(自分の体の位置を把握する感覚)や前庭覚(バランスを保つ感覚)が未発達 な子が多くいます。そのため、「まっすぐ座る」ということ自体が、普通の子どもよりもずっと大変な作業になっているのです。体幹の筋力が弱いことも影響しており、椅子に座るとすぐに疲れてしまいます。その結果、楽な姿勢を求めて、体を支えるために頬杖をついたり、前に突っ伏したりする のです。
また、集中しているときに体を揺らしたり、椅子をガタガタと動かしたりする子どももいます。これは、じっとしていることが難しいのではなく、「揺れ」や「動き」があることで、むしろ集中しやすくなるからです。多動と誤解されることもありますが、これは体の感覚を調整するために、無意識のうちに行っている行動 なので、むやみに制止させると、かえって落ち着かなくなってしまうこともあります。
では、どうすれば子どもが無理なく姿勢を保てるようになるのでしょうか?
1. 座る環境を整える
まずは、椅子と机の高さが合っているかを見直し、足が床につかない場合は足置きを用意しましょう。足が宙に浮いていると、体を安定させることが難しくなり、上半身の姿勢も崩れやすくなります。また、椅子の背もたれが低すぎると、体を支えるのが大変になってしまうため、できれば背もたれのある椅子を選ぶ のがよいでしょう。
2. 体幹を支えるアイテムを活用する
バランスボールのような動きのある座面を使うと、無意識のうちに体幹が鍛えられます。また、椅子の上にクッションを敷くことで、適度な刺激が入り、座りやすくなることもあります。背中に小さなクッションを入れるだけでも、姿勢の安定感が増すため、試してみる価値はあります。
3. 遊びを通じて体幹を鍛える
日常生活の中で体幹を鍛える遊びを取り入れることも大切です。たとえば、トランポリンやブランコ、平均台 などのバランスを取る遊びは、前庭覚を育てるのに役立ちます。四つん這いになって進む「クマ歩き」や、床に両手をついて足を動かす「ワニ歩き」などの動きも、体幹の強化につながります。遊びながら楽しく鍛えることで、自然と姿勢が安定してくる ことが期待できます。
子どもがすぐに姿勢を崩すのは、「まっすぐ座ることが難しい」からであり、意識すれば直るというものではありません。「背筋を伸ばしなさい」と言われても、本人にとってはすぐに疲れてしまうため、根本的な解決にはならないのです。
大切なのは、「どうすれば無理なく座れるのか?」 という視点を持ち、子どもが快適に過ごせる環境を整えていくことです。
姿勢が崩れるのは、「怠けているから」ではなく、「その姿勢のほうが楽だから」かもしれません。子どもの体の特性を理解し、少しずつ工夫を重ねながら、無理のないサポートを心がけていきましょう。
コラム|発達特性と情報処理の違い
「何度も説明したのに、理解してくれない…」
「言葉で伝えたことが、全然伝わっていないように感じる」
「同じことを教えても、毎回忘れてしまう」こうした悩みを持つ親御さんは多いかもしれません。発達特性のある子どもは、「情報の処理の仕方」が定型発達の子どもとは異なる ことが多いため、「伝わらない」「理解しにくい」と感じる場面が生まれやすくなります。
情報処理の違いとは?
情報処理とは、目や耳から入ってくる情報を整理し、理解し、適切に行動へつなげるプロセス のことを指します。発達特性のある子どもは、このプロセスのどこかでつまずくことがあり、それが日常生活の「困りごと」につながることがあります。
情報処理の違いには、大きく分けて以下のような特徴があります。
1. 言葉の情報を処理するのが難しい
- ・長い指示や複雑な説明が理解しにくい
→ 例:「ランドセルの中から宿題を出して、赤いファイルに入れて、それを机の上に置いてね」と言われても、途中で何をすればいいのかわからなくなる。- ・話のポイントをつかむのが苦手
→ 例:「先生が言っていたことを教えて」と言われても、大事な部分ではなく、細かい部分を覚えてしまい、要点を伝えられない。2. 視覚的な情報を整理するのが難しい
- ・黒板の文字をノートに写すのに時間がかかる
→ 例:文字の並びをうまく認識できず、書き写しミスが多くなる。- ・地図や図表の情報を読み取るのが苦手
→ 例:「トイレの場所を地図で教えてもらったのに、どこに行けばいいのかわからない」となる。3. 一度に多くの情報を処理するのが難しい
- ・同時に複数のことをすると混乱しやすい
→ 例:「歩きながら話す」といったマルチタスクが苦手で、片方に集中するともう片方がおろそかになる。- ・注意を向ける対象がコロコロ変わる
→ 例:授業中に先生の話を聞いていたのに、窓の外の鳥に気を取られてしまう。情報処理の違いへの対応方法
情報処理の難しさは「本人のやる気の問題」ではなく、「どのように情報を伝えるか」によって大きく変わります。
1. 指示は短く、具体的に伝える
「ちゃんと片付けて」ではなく、「おもちゃを箱に入れてね」 のように、行動を具体的に示す。
2. 視覚的なサポートを活用する
- ・口頭の指示だけでなく、絵や写真、リストを使う。
- ・授業や学習で「見て覚える」ほうが得意な場合は、イラストや色分けを活用する。
3. 情報の整理を手伝う
- ・「宿題」「持ち物」「明日の予定」などを、一緒に確認する習慣をつける。
- ・忘れやすい子どもには、「今日やることリスト」を作り、終わったらチェックをつけるようにする。
朝の支度で毎回バトルになっていませんか?
「着替えなさい!」と言っても動かない。
やっと着替えようとしたと思ったら、肌着のタグがチクチクすると大騒ぎ。
ようやく着せたのに、「この服イヤ!」と脱ぎ捨てる…。
毎朝こんなやり取りを繰り返していると、お母さんのほうが疲れてしまいます。学校や保育園の時間が迫るなかで、なんとかして着替えさせなければなりません。でも、本人にとっては「イヤ」という感覚が本当に耐えがたいもので、親の言葉が届かなくなってしまうこともあります。
発達特性のある子どもが着替えを嫌がる理由として、触覚過敏 が関係していることが多いです。一般的には気にならない衣服のタグや縫い目の刺激を「痛い」と感じたり、生地の素材によっては「チクチクして不快」と感じたりすることがあります。特に、新しい服や硬めの生地の服は、肌に馴染むまで時間がかかるため、嫌がることが多いです。
また、「この服じゃなきゃイヤ!」と特定の服に強いこだわりを持つ子どももいます。お気に入りのTシャツばかり着たがる、同じズボンしか履きたがらない、といった行動は、安心できる感覚を求めているから かもしれません。新しい服は「未知の感覚」であり、不安を感じることがあるため、着慣れた服を選び続けることで安心感を得ようとしているのです。
1. 子どもにとって「着心地のよい服」を選ぶ
タグや縫い目が少ないデザインのものを選んだり、肌触りが柔らかい素材を意識したりすると、ストレスを減らせます。タグがある場合は、事前に切り取るだけでもかなり違います。
2. 「好きな服ばかり着たがる」場合の対応
同じ種類の服を何枚か用意するのも一つの方法です。「このシャツしか着たくない」と言うなら、洗い替えとして何枚か用意し、ローテーションで着られるようにするとよいでしょう。少しずつ違う服に慣れていくための第一歩にもなります。
3. 朝の支度のストレスを減らす工夫
朝の時間がタイトだと、お母さんも焦りがちになり、「早く着替えなさい!」と急かしてしまうことが多くなります。しかし、子どもが「着替えなくてはならない」というプレッシャーを感じると、ますます嫌がることもあります。
この場合、朝の支度の流れを「見える化」するのが効果的です。「何時に起きて、何をして、何時までに着替える」というスケジュールを絵や写真にして示すと、子どもが「次に何をすればいいのか」が分かりやすくなります。また、着替えの順番を決めて、「まずはズボンを履いて、次にシャツ」と順番通りに進めることで、混乱を防ぐことができます。
4. 遊びの要素を取り入れる
「よーいドン!」でタイマーをセットし、楽しい雰囲気を作ると、気持ちが切り替わりやすくなります。「ロボットになって着替えよう」「着替えたらお気に入りのシールを貼ろう」と、ポジティブな動機づけをすると、着替えへの抵抗感が減ることがあります。
無理に着替えさせようとすると、子どもにとって「着替え=嫌なもの」というイメージが強くなってしまいます。できる範囲で工夫をしながら、少しずつ慣れていくことが大切です。
毎朝の着替えのストレスが少しでも軽くなるように、子どもの感覚に寄り添った対応を心がけていきましょう。
コラム|発達性協調運動障害とは?
「お箸がうまく使えない」
「ボタンを留めるのに時間がかかる」
「ボールを投げても思ったところに飛ばない」こうした「手先の不器用さ」や「運動のぎこちなさ」は、成長過程でよく見られます。しかし、日常生活に支障をきたすほどの場合、発達性協調運動障害(DCD: Developmental Coordination Disorder) の可能性があります。
発達性協調運動障害(DCD)とは?
DCDは、体の動きをスムーズに調整するのが難しい発達特性 です。知的発達には問題がなくても、運動や手作業が苦手なことが特徴です。
例えば、
- ・手先が不器用:お箸や鉛筆を持ちにくい、ボタンがうまく留められない。
- ・運動がぎこちない:ボールを投げても狙ったところに飛ばない、自転車のバランスがとれない。
- ・動作の学習が苦手:「見て真似する」のが難しく、繰り返し練習が必要。
DCDの原因
DCDは、脳の運動調整機能の発達の偏り によって起こると考えられています。目で見た情報と手や体の動きがうまく連携しないため、「頭ではわかっているのに体が思うように動かない」と感じることがあります。
DCDの子どもへの対応方法
1. 手先の動きをサポートする
- ・鉛筆にグリップをつける、ボタンの練習を遊びの中で取り入れる。
- ・靴はマジックテープ付きにするなど、工夫をする。
2. 運動のハードルを下げる
- ・ボール遊びは大きめで柔らかいものからスタート。
- ・縄跳びやスキップはリズム遊びを取り入れながら練習。
3. できることを認める
「できないこと」ではなく、「できること」を見つけて成功体験を積むことが大切です。「今日はスプーンをしっかり持てたね!」といったポジティブな声かけが自信につながります。
まとめ
DCDは努力不足ではなく、脳の運動調整機能の特性によるもの です。適切なサポートがあれば、少しずつ動作のスムーズさを向上させることができます。焦らず、その子に合った方法で支えていきましょう。
「いきなり泣き出した!」
「さっきまで機嫌がよかったのに、突然怒り出した…」
「何がイヤだったのかわからない…」
発達特性のある子どもを育てていると、「予兆なく癇癪を起こした」と感じる場面が多いのではないでしょうか。理由がわかれば対処できるのに、何が引き金になったのかがわからないまま泣き叫ばれると、お母さん自身もどうしていいのかわからず困ってしまいます。
しかし、実は子どもたちは「困っている」「つらい」と感じるタイミングで、ちゃんとサインを出している ことが多いのです。そのサインを見つけてあげることができれば、癇癪が起こる前に適切な対応をすることができるかもしれません。
発達特性のある子どもは、感覚過敏や環境の変化に対する適応の難しさ から、ちょっとしたことでストレスを感じやすいです。たとえば、以下のような行動が見られたら、それは「何か困っている」「不安を感じている」というサインかもしれません。
本人はまだ言葉で「つらい」「イヤだ」と伝えることが難しくても、体の動きや表情にヒントが隠されている ことが多いのです。
親としては「機嫌がよかったはずなのに、突然怒り出した!」と思うかもしれません。でも、子どもにとっては「前からイヤだったけど、もう我慢できなくなった」だけなのです。
発達特性のある子どもは、嫌なことを嫌だとすぐに言葉で伝えられないことが多いです。たとえば、大きな音が苦手な子どもは、急に鳴り響くアラーム音でパニックになる前に、「音が大きくなりそうな場所」を警戒し始めています。教室の中でざわざわと声が大きくなると、すでに不安を感じ始めているのに、それを伝えられずにいる。そして、限界を迎えた瞬間に大泣きしてしまうのです。
また、予定変更が苦手な子どもの場合、「今日は公園に行くよ!」と言われて楽しみにしていたのに、「やっぱり雨だから行けない」と言われた途端、泣き崩れることがあります。これは、「変更を受け入れる時間」が足りなかっただけで、本人としては納得できるまでの時間がほしかったのかもしれません。
つまり、子どもが癇癪を起こす前に見せていた小さな変化 に気づいてあげることが、対応のカギになります。
まず、「この子はどんなときにストレスを感じるのか?」を知ることが大切です。苦手な刺激や状況をできるだけ把握し、「こういう場面では、こういうサインを出すことが多い」とパターンを知っておく ことで、事前に対策がとれるようになります。
そして、困ったサインが出たら、すぐにクールダウンの方法を試してみましょう。
こうした対応をすることで、パニックや癇癪に発展する前に、少しずつ落ち着かせることができます。
また、言葉で「困っている」と伝えられるように練習する のも効果的です。
「困ったときは、このカードを持ってきてね」「このマークを見せてね」など、子どもが簡単に伝えられる方法を用意しておくと、自分の気持ちを表現することができるようになります。
子どもがいきなり泣くわけではなく、必ずその前にサインがあります。親としては、そのサインを見つける練習をしていくことが大切です。
子どもの困ったサインに気づくことで、親子ともにストレスを減らすことができます。少しずつ、子どもが安心して気持ちを伝えられる環境を整えていきましょう。
コラム|発達特性のある子のストレスと癇癪の関係
「ちょっとしたことで怒り出してしまう」
「思い通りにならないと、大泣きして手がつけられない」
「何度説明しても、パニックになってしまう」こうした行動に戸惑うことはありませんか? 発達特性のある子どもは、ストレスを感じやすく、それが癇癪(かんしゃく)として表れることが多い のです。
癇癪とは?
癇癪とは、感情をコントロールできずに怒ったり泣いたりすること です。大人でもイライラすることはありますが、発達特性のある子どもは、特に感情の切り替えが難しく、癇癪が激しくなりやすい 傾向があります。
ストレスを感じやすい理由
1. 感覚過敏によるストレス
- ・大きな音や強い光が苦手
- ・服のタグや食感など、日常の些細な刺激が気になる
2. 予測できないことへの不安
- ・突然の予定変更にパニックになる
- ・何をすればいいのかわからないと、動けなくなる
3. 言葉で表現するのが苦手
- ・「つらい」「やめてほしい」と言えず、行動で示すしかない
- ・自分の気持ちを整理できずに爆発してしまう
癇癪を減らすための工夫
1. 環境を整える
- ・静かな場所を作る、刺激の少ない服を選ぶなど、子どもが落ち着ける環境を用意する
2. 予定の見通しを伝える
- ・「次に何をするのか」 を事前に伝える
- ・予定変更があるときは、事前に説明して心の準備をさせる
3. 感情の伝え方を教える
- ・「困ったときは、このカードを見せよう」 など、言葉以外の方法で伝えられるようにする
- ・怒りが爆発する前に、「深呼吸しよう」と促す
まとめ
発達特性のある子どもは、ストレスを感じやすく、それが癇癪として現れます。環境を整え、事前に見通しを伝え、感情を伝える方法を教えることで、癇癪の頻度を減らしていくことが大切 です。
「もう学校に行く時間なのに、まだパジャマのまま…」
「トイレに行ってと言ったのに、ずっとボーっとしている」
「何をするにも時間がかかって、つい『早くしなさい!』と怒ってしまう…」
子どもの行動が遅いと感じる場面は、朝の支度や外出時に特に目立つものです。何度も声をかけても動かない、やっと動いたと思ったら別のことを始めてしまう…。そんな様子を見ていると、「なんでこんなにのんびりしているの?」「もっとテキパキ動いてほしい!」とイライラしてしまうこともあるでしょう。
しかし、発達特性のある子どもの場合、単に「のんびり屋」なのではなく、脳の情報処理や注意の切り替えがうまくいかないことが原因で、動作が遅くなっている ことがあります。
発達特性のある子どもは、「次に何をすればいいのか?」を頭の中で整理するのが苦手なことが多いです。例えば、朝の支度ひとつとっても、大人であれば「顔を洗って、着替えて、朝ごはんを食べる」と一連の流れが自然と頭に浮かびます。しかし、子どもにとっては「今やっていること」と「次にやるべきこと」のつながりが見えにくいため、ひとつの行動を終えた後に次の行動に移るまでに時間がかかってしまう のです。
また、注意の切り替えが苦手な子ども も多いです。例えば、楽しく遊んでいる途中で「トイレに行ってね」と声をかけられても、頭の中ではまだ遊びが続いています。そのため、「遊びからトイレへ」という切り替えがスムーズにできず、結局トイレに行かずにまた別の遊びを始めてしまうことがあるのです。こうした注意の切り替えの難しさが、「指示をしても動かない」という状況につながります。
さらに、脳の処理速度がゆっくりな子ども もいます。「何をするにも時間がかかる」「指示を出しても、すぐに動かない」という場合、そもそも情報を処理するのに時間がかかっている可能性があります。「靴を履いてね」と言われても、その言葉の意味を理解し、動作に移すまでに時間が必要なのです。
1. やるべきことを「見える化」する
朝の支度や帰宅後のルーチンを「何を」「どの順番で」やるのかを、絵や写真を使ってリスト化 すると、子どもが次に何をすればよいかを直感的に理解しやすくなります。例えば、
・7:00 起きる
・7:05 顔を洗う
・7:10 着替える
・7:20 朝ごはんを食べる
といった形で、視覚的に「次に何をすればいいか」を示すと、動きやすくなることが多いです。
2. 時間の感覚を身につける
発達特性のある子どもは、時間の経過を感じるのが苦手 なことがあります。そこで、
こうした工夫をすると、行動のペースがつかみやすくなります。
3. 声かけの仕方を工夫する
「早くしなさい!」と言われると、焦ってしまって余計に動けなくなることがあります。そのため、
といった声かけにすると、プレッシャーを感じずに行動しやすくなります。
もたもたしていると、つい「早くして!」と叱ってしまいたくなりますが、発達特性のある子どもにとっては、「もっと早く動くこと」自体が難しい こともあります。
大切なのは、「どうしたらスムーズに動けるようになるか」 を考え、子どもに合ったサポートをすることです。子どもにとっての「動きやすい環境」を整えることで、少しずつペースがつかめるようになっていきます。
子どもが「時間を守れるようになる」ことを目指すのではなく、「子どもが自分で動きやすい仕組みを作る」ことが大切 なのです。
コラム|注意の切り替えが苦手な子の特徴と対策
「遊びをやめるように言っても、なかなか切り替えられない」
「宿題の途中で気が散ってしまい、終わるのが遅くなる」
「急な予定変更にパニックになってしまう」このように、行動をスムーズに切り替えられないのは、脳の特性によるもの かもしれません。
注意の切り替えとは?
注意の切り替えとは、ある活動から別の活動へスムーズに移行する能力 です。
例えば、
- ・遊びを終えて勉強に取り組む
- ・学校から帰ったら宿題を始める
- ・外出の準備をする
切り替えが苦手な子どもは、気持ちや行動を変えるのに時間がかかり、ストレスを感じやすい傾向があります。
注意の切り替えが苦手な子の特徴
1. 今やっていることを続けたがる
- ・遊びをやめるのに時間がかかる
- ・興味のあることに夢中になり、次の予定を忘れる
2. 周囲の刺激に影響を受けやすい
- ・宿題中に机の上のおもちゃに気を取られる
- ・話の途中で周囲の音や動きに注意が向く
3. 予定の変更にストレスを感じる
- ・急な予定変更に混乱し、ぐずることがある
- ・「今から出かけるよ」と言われても、すぐに動けない
注意の切り替えをスムーズにする対策
1. 事前に予告する
「あと5分で遊びを終わりにするよ」と伝えると、次の行動に移りやすくなります。
2. タイマーを使う
砂時計やタイマーを使い、時間の見通しを持たせるとスムーズに切り替えられます。
3. 切り替えの合図を決める
「ピアノの音が鳴ったらお片付け」など、わかりやすい合図 を決めると行動しやすくなります。
4. 次にやることを具体的に伝える
「宿題を始めよう」ではなく、「まずは算数のプリントをやろう」 など具体的に指示すると、切り替えやすくなります。
食事のたびに、テーブルの上や床がおかずやご飯の粒でいっぱいになってしまう。何度も「気をつけて食べようね」と声をかけても、スプーンやフォークをうまく使えず、お茶碗の中のご飯もポロポロと落としてしまう。お母さんとしては、「もう少し丁寧に食べてほしい」「同じ年齢の子はもっと上手に食べられるのに…」と焦りを感じることもあるかもしれません。
しかし、子どもが食べこぼしをしてしまうのは、単に「雑に食べている」わけではなく、運動機能や感覚の発達がまだ未熟であることが影響している可能性 があります。
発達特性のある子どもには、「発達性協調運動障害(DCD)」と呼ばれる、手先の細かい動きを調整するのが苦手な特性を持つ場合があります。この特性があると、スプーンやフォークを適切な角度で持つことが難しく、食べ物を口に運ぶ途中で落としてしまうことが多くなります。また、お箸を使うのに苦労したり、コップを傾ける角度がわからず飲み物をこぼしたりすることもあります。
また、食事の姿勢が不安定な場合 も、食べこぼしが多くなる原因のひとつです。足が床につかずにブラブラしていると、体を安定させることが難しくなり、その結果、手元の動きもぎこちなくなります。
さらに、「視覚と運動の連携がうまくいかない」ことが影響しているケースもあります。例えば、「スプーンですくったものを見ながら、口まで運ぶ」という動作は、視覚と手の動きを同時に調整しなければなりません。しかし、この連携がうまくできないと、スプーンを動かす方向や力加減が合わず、こぼれてしまうことがあります。
1. 食事の姿勢を整える
・椅子の高さを調整し、足がしっかり床につくようにする
・背もたれがしっかりとある椅子を使う
・食卓と椅子の高さが合っているか確認する
姿勢が安定すると、手の動きも安定しやすくなり、食べこぼしが減ることにつながります。
2. 食器やカトラリーを工夫する
道具を工夫するだけでも、食べこぼしのストレスはぐっと減ります。
3. 手の動きを強化する遊びを取り入れる
日常の遊びの中で手の操作を練習していくと、食事の動作もスムーズになってきます。
4. 焦らず、できたことを褒める
「こぼさないで食べること」を目標にすると、子どもにとって食事の時間がプレッシャーになってしまうことがあります。それよりも、「スプーンをしっかり持てたね」「今日はいつもより上手に食べられたね」 と、少しでもできたことを褒めることが大切です。
食事は、毎日の積み重ねの中で少しずつ上手になっていくものです。焦らず、子どものペースに合わせたサポートを心がけていきましょう。
コラム|偏食と感覚統合
「好きなものしか食べない」
「特定の食感や匂いの食べ物を極端に嫌がる」
「同じメニューばかり食べたがる」こうした偏食は珍しくありませんが、栄養バランスが極端に偏る場合、単なる好き嫌いではなく、感覚統合の特性 が関係している可能性があります。
感覚統合とは?
感覚統合とは、視覚・嗅覚・味覚・触覚などの感覚情報を統合し、適切に反応する脳の機能 のことを指します。食事の際には、見た目・匂い・味・食感・温度などの情報を同時に処理しますが、感覚統合がうまくいかない子どもは、一部の感覚を過敏に感じたり、逆に鈍感だったりするため、食事が苦痛になりやすいのです。
偏食の原因となる感覚特性
1. 触覚(食感)の過敏さ
- ・ネバネバしたものが苦手(納豆、オクラ)
- ・硬いものが食べにくい(にんじん、ナッツ)
2. 嗅覚の過敏さ
- ・強い匂いの食材を拒否する(魚、香辛料)
- ・冷蔵庫の匂いだけで気持ち悪くなることも
3. 視覚の影響
- ・食材の色や形が気に入らないと食べたがらない(緑の野菜)
- ・混ざった料理が苦手(シチュー、チャーハン)
偏食への対応方法
1. 調理法を工夫する
- ・ザラザラした食感はスープやペーストにする(ポタージュなど)
- ・匂いが苦手なら蒸したり、レモンで香りを抑える
2. 食事環境を整える
- ・「一口でも食べなさい」と強要せず、安心できる雰囲気を作る
- ・静かな環境でリラックスして食事ができるようにする
3. 食べられる食品を少しずつ広げる
- ・好きなものに似た食材から挑戦(じゃがいも→さつまいも)
- ・「一口チャレンジ」で無理のない範囲で慣れさせる
「もう消灯の時間なのに、布団に入ってもゴロゴロ動き回っている」
「寝室に行ったのに、なかなか寝つかない…」
「夜中になっても目がギラギラしていて、全然眠くならない」
子どもがなかなか寝てくれないと、お母さん自身の睡眠時間が削られてしまい、毎晩のように疲れ切ってしまうこともあるでしょう。「布団に入る時間は決まっているのに」「もう何時間も経っているのに」と焦りが募ると、「早く寝なさい!」とつい強く言ってしまうこともあります。しかし、発達特性のある子どもの場合、「寝たくない」のではなく、「寝たくても寝られない」 という可能性があります。
発達特性のある子どもが眠れない理由は、大きく分けて3つあります。
1. 体内リズムが整いにくい
睡眠に必要なホルモン「メラトニン」の分泌が少なかったり、分泌のタイミングが遅れたりすることで、自然な眠気が来にくい子どもがいます。こうした子どもは、夜になってもなかなか眠くならず、結果的に寝る時間がどんどん遅くなってしまうのです。
2. 感覚過敏の影響
寝具の肌触りが気になって落ち着かない、パジャマのタグがチクチクして不快、部屋が暗すぎるのが怖い、ちょっとした物音が気になってしまう――こうした感覚の敏感さが、寝つきを妨げることがあります。
3. 頭の中が興奮しやすい
発達特性のある子どもは、頭の中でたくさんのことを考えてしまい、なかなかスイッチをオフにできないことがあります。「明日は何をするんだろう」「さっきの出来事が気になる」「あのゲームの続きが知りたい」など、次々に思考が浮かんでくるため、気持ちが落ち着かず、眠る準備ができない状態になるのです。
1. 朝日をしっかり浴びる
朝に太陽の光を浴びることで、夜に「メラトニン」の分泌が促され、自然な眠気が訪れやすくなります。特に、朝起きる時間を一定にすることで、体内時計が整い、寝つきがスムーズになることが期待できます。
2. 寝る前のルーティンを作る
「夕食 → お風呂 → 絵本を読む → おやすみなさい」のように、寝る前の流れを一定にすることで、「そろそろ寝る時間だ」と体が理解しやすくなります。ルーティンを作ることで、次に何をするかが分かりやすくなり、寝ることへの抵抗感が減ることがあります。
3. 感覚に配慮した寝具選び
肌触りの良いパジャマを選んだり、枕の高さを調整したりすることで、「寝る環境」をより快適にすることができます。もし暗闇が怖い場合は、間接照明やナイトライトを使うのも効果的です。
4. デジタル機器の使用を制限する
スマホやタブレット、テレビの光は、メラトニンの分泌を妨げ、眠気を遠ざけてしまいます。少なくとも寝る1時間前 には、画面を見ないようにすると、寝つきが良くなることがあります。
5. 「眠れないなら、無理に寝ようとしなくてもいい」と伝える
「寝なさい!」と強く言われると、「眠れない自分はダメなんだ」とプレッシャーを感じてしまうことがあります。すると、ますます緊張してしまい、逆に眠れなくなってしまうことも…。そんなときは、「眠くなったら横になろうね」と声をかけて、安心できる環境を作ることも大切です。
寝つきの悪さには、本人の意思ではコントロールできない要因が多く含まれています。子どもがリラックスして眠れるよう、少しずつ環境を整えていくことが大切です。「寝る時間=楽しいもの」というイメージを持てるように、無理に寝かせようとするのではなく、穏やかにサポートしていきましょう。
コラム|睡眠の発達とリズムの重要性
「寝る時間になってもなかなか寝てくれない」
「夜中に何度も目を覚ましてしまう」
「朝なかなか起きられず、機嫌が悪い」発達特性のある子どもは、睡眠リズムを整えるのが難しい ことがあります。
睡眠と発達の関係
睡眠は、脳の発達や感情のコントロールに影響する 重要な要素です。睡眠中に記憶の整理や成長ホルモンの分泌 が行われ、日中の活動を支える準備が整います。
しかし、発達特性のある子どもは、以下の理由で睡眠リズムが乱れやすい ことがあります。
睡眠リズムが乱れやすい原因
1. 体内時計が整いにくい
- ・朝日を浴びる時間が少なく、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌が乱れやすい
- ・日中の活動量が少なく、適度な疲れを感じにくい
2. 感覚過敏による影響
- ・パジャマや布団の感触が気になり、リラックスできない
- ・小さな音や光に敏感で、眠りが浅くなる
3. 切り替えの難しさ
- ・「遊んでいるのに、すぐに寝るのは無理!」と感じやすい
- ・寝る前にスマホやゲームを使い、脳が興奮状態になりやすい
睡眠リズムを整える工夫
1. 朝日を浴びる
朝起きたらカーテンを開けてしっかり朝日を浴びる と、体内時計が整いやすくなります。
2. 日中の活動を増やす
外遊びや運動を増やし、夜に自然と眠くなる流れを作る ことが大切です。
3. 寝る前のルーティンを作る
- ・「夕食 → お風呂 → 絵本 → 寝る」など、毎日同じ流れを繰り返す
- ・寝る30分前から、部屋の明かりを暗くし、リラックスモードに切り替える
4. 感覚に配慮する
- ・パジャマや布団の素材を、子どもが快適に感じるものにする
- ・静かで暗い寝室環境を整え、刺激を減らす
まとめ
発達特性のある子どもは、睡眠リズムが乱れやすいことがあります。朝日を浴びる、活動量を増やす、寝る前のルーティンを作る などの工夫を取り入れながら、無理なく自然な眠りに導いていきましょう。
「朝、声をかけてもなかなか起きない」
「起きたと思ったら機嫌が最悪で、ぐずったり泣いたりする」
「朝ごはんの準備ができているのに、動こうとしない」
毎朝、子どもがスムーズに起きられず、不機嫌な状態で1日がスタートすると、お母さんとしても気が滅入ってしまうことがあるでしょう。「どうしてこんなに機嫌が悪いの?」「もっと気持ちよく起きてくれたらいいのに…」と感じてしまうのも無理はありません。しかし、発達特性のある子どもの場合、単に「寝起きが悪い性格」というわけではなく、脳の覚醒がスムーズにいかない ことが影響している可能性があります。
発達特性のある子どもが寝起きに不機嫌になりやすい理由として、大きく3つの要因が考えられます。
1. 睡眠の質が低い
夜中に何度も目が覚めたり、眠りが浅かったりすることで、十分に休息が取れていない ことがあります。発達特性のある子どもは、睡眠のリズムを整えるのが苦手なことが多く、朝になっても深い眠りのまま目覚めてしまうことがあります。その結果、「まだ寝ていたいのに無理やり起こされた」と感じ、機嫌が悪くなってしまうのです。
2. 感覚の切り替えが苦手
朝起きた瞬間、体がまだ「寝ている状態」から「起きる状態」へと移行するのに時間がかかることがあります。これは「睡眠慣性」とも呼ばれ、発達特性のある子どもは、この切り替えが特に難しい傾向があります。大人でも、寝起きすぐにフルパワーで動ける人は少ないですが、発達特性のある子どもはその時間が特に長く、「まだ頭も体も起きていないのに、無理に動かされる」と感じてしまうのです。
3. 朝の刺激が強すぎる
発達特性のある子どもは、音や光、温度変化に敏感なことが多いです。そのため、起きた瞬間に強い光を浴びたり、大きな音で呼ばれたりすると、それだけでストレスを感じてしまい、不機嫌になることがあります。例えば、
といったことが、不機嫌の原因になっていることもあります。
1. ゆるやかに覚醒を促す
朝、急に「起きなさい!」と声をかけるのではなく、穏やかに目覚められる環境を作る ことが大切です。
無理に起こそうとするのではなく、「そろそろ朝だよ」という合図をゆるやかに送ることで、気持ちよく目覚められるようになります。
2. 起きる時間の前に、少しずつ光を取り入れる
寝室が真っ暗な状態からいきなり明るくなると、目がチカチカして不快に感じてしまうことがあります。そのため、朝の目覚めをスムーズにするためには、徐々に光を取り入れる のがポイントです。
例えば、光目覚まし時計 を使って、起床の30分前から少しずつ光を強めていくと、自然に体が「朝だ」と認識しやすくなります。また、できるだけ朝の光を浴びることで、体内時計がリセットされ、目覚めがスムーズになります。
3. 体をゆっくり動かせるようにする
目覚めた直後にすぐ布団から出るのが難しい場合は、布団の中でストレッチをする ことで、体をゆっくりと目覚めさせるのも効果的です。
こうした軽い動きを取り入れるだけでも、脳と体が「起きる準備」をしやすくなります。
4. 朝のルーチンを決める
「朝の支度をしなさい!」と急かされると、かえって動きたくなくなってしまうことがあります。そのため、「朝の流れ」を視覚化 して、「何を」「どの順番で」するのかを子どもが把握しやすいようにすることが大切です。
こうした流れをイラストや写真で示すと、「次に何をすればいいのか」が分かりやすくなり、朝の準備がスムーズになります。
「朝からグズグズしているのは甘えているだけ」と思われがちですが、発達特性のある子どもにとっては、「朝の目覚め」がスムーズにいかない理由があります。お母さん自身も、「毎朝のことだから」とイライラするのではなく、「どうしたらこの子が無理なく起きられるか」 を考えて、少しずつ環境を整えていくことが大切です。
少しずつ試行錯誤しながら、その子に合った「朝の目覚め方」を見つけていきましょう。
固有覚・前庭覚とは?
「うちの子はすぐにつまずいたり、転んだりする」
「じっと座っていられなくて、いつも体を揺らしている」
「ブランコや回転遊具が苦手、または逆に大好きすぎる」こうした行動には、「固有覚」や「前庭覚」と呼ばれる感覚の発達が関係している ことがあります。
固有覚と前庭覚とは?
私たちは普段意識しませんが、「体の位置」や「バランス」を無意識に感じながら動いています。これを支えているのが 固有覚 と 前庭覚 です。
1. 固有覚とは?
固有覚は、筋肉や関節がどのように動いているかを感じ取る感覚 です。例えば、
- ・目を閉じていても腕を上げていることがわかる
- ・適切な力加減で鉛筆を握ることができる
固有覚が弱いと、自分の体の動きが把握しづらく、力加減が極端に強すぎたり弱すぎたりする ことがあります。
2. 前庭覚とは?
前庭覚は、体の傾きや回転、スピードを感じる感覚 です。例えば、
- ・バランスをとってまっすぐ立つ
- ・目を閉じてもまっすぐ歩く
前庭覚が敏感すぎると乗り物酔いしやすい、回転遊具を怖がる などの傾向があり、逆に鈍いとじっとしているのが苦手で、体を動かし続ける ことがあります。
固有覚・前庭覚の発達を促す遊び
1. 固有覚を育てる遊び
- ・雲梯や鉄棒でぶら下がる
- ・かるく押し合いをする「綱引きごっこ」
- ・障害物競走など、体を大きく動かす遊び
2. 前庭覚を育てる遊び
- ・ブランコやすべり台で揺れやスピードに慣れる
- ・でんぐり返しやくるくる回る遊び
- ・バランスボールの上で座る、体をゆらす
まとめ
固有覚や前庭覚は、体の動きをスムーズにし、姿勢を安定させる重要な感覚です。子どもが快適に動けるように、楽しみながら感覚を育てていくことが大切 です。
「おふろ入るよ!」と声をかけた途端に、全力で逃げる。
お湯に足をつけた瞬間、「熱い!」「冷たい!」と大騒ぎ。
シャンプーをしようとしたら、「目に入るからイヤ!」と抵抗される。
毎日の入浴がバトルになると、お母さんもぐったりしてしまいます。リラックスできるはずのお風呂の時間が、親子ともにストレスになってしまっていることも少なくありません。
しかし、発達特性のある子どもの場合、「おふろがイヤ」という気持ちの背景には、感覚の過敏さや切り替えの難しさ が関係していることが多いのです。
なぜ、おふろを嫌がるのか?
1. 感覚過敏の影響
発達特性のある子どもの中には、皮膚の感覚が過敏な子どもが多くいます。例えば、
大人にとっては何でもないことが、子どもにとっては強いストレスになっていることがあります。
2. 環境の変化が苦手
「おふろに入る」という行為は、洋服を脱ぎ、体を濡らし、洗って、また服を着る という一連の流れがあり、環境の変化が苦手な子どもにとっては大きな負担になります。
また、暖かい部屋から寒い脱衣所に移動するだけで、「寒いからイヤ」と感じることもありますし、おふろの中と外で温度や湿度が大きく変わることで、不快感が増すこともあります。
3. 頭を洗う・顔を濡らすのが苦手
シャンプーの泡やお湯が目に入ることを極端に嫌がる子どもも多いです。これは、「痛い」や「怖い」という経験が影響していることがあります。
また、頭を下に傾ける感覚が苦手 だったり、水の音が大きすぎて怖いと感じる子どももいます。特に、シャワーの音や水の跳ね返る感覚が「刺激が強すぎる」と感じてしまうと、無意識のうちに拒否反応が出てしまうことがあります。
1. お湯の温度を調整する
「大人がちょうどいい」と思う温度でも、子どもにとっては熱すぎることがあります。ぬるめ(37~38℃)のお湯 にするだけでも、ストレスが軽減することがあります。
また、事前に手や足をお湯につけて、徐々に温度に慣らしていく のも効果的です。
2. シャワーをやめて、湯船で流す
シャワーの水圧や音が苦手な場合は、湯船のお湯を使って洗う のもおすすめです。洗面器にお湯をためて、優しく流すことで、不快な刺激を減らせます。
3. 好きなアイテムを活用する
「おふろ=楽しい時間」にすることで、少しずつ抵抗感を減らすことができます。
4. シャンプーの方法を変える
無理に洗おうとすると、「おふろ=嫌な時間」となってしまうので、できる範囲で少しずつ慣れていくのが大切です。
5. おふろに入る流れを決める
入浴がストレスになっている場合は、「おふろに入る流れ」を決めて、事前に伝えておく のが効果的です。
・「お風呂の前に、好きな絵本を1冊読もうね」
・「10分間だけお風呂で遊んで、そしたらシャンプーね」
・「終わったら、ごほうびシールを貼ろう」
こうしたルールを決めることで、「おふろ=嫌なこと」ではなく、「おふろ=楽しい流れ」の一部にすることができます。
おふろを嫌がる子どもに対して、「毎日おふろに入らないといけない!」とプレッシャーをかけると、ますます拒否感が強くなることもあります。
無理に入れようとせず、「できることから少しずつ」 を意識して、子どものペースで慣れていけるようにすることが大切です。
おふろの時間が少しでも楽しくなるように、試せる工夫から取り入れてみましょう。
コラム|感覚過敏と入浴の問題
「お風呂に入るのを嫌がって泣いてしまう」
「シャワーの水が怖くて体を洗えない」
「湯船に入ると落ち着かなくなる」お風呂を嫌がる子どもは少なくありませんが、特に発達特性のある子どもは感覚過敏が影響して入浴が苦手 なことがあります。無理に入れようとすると、さらにストレスを感じてしまい、入浴そのものを拒否することもあります。
感覚過敏とは?
感覚過敏とは、音・光・触覚・温度などの刺激に過剰に敏感に反応してしまう状態 のことです。入浴が苦手な子どもは、以下のような理由で困難を感じることがあります。
- ・シャワーの水圧や音が刺激になる
- ・お湯の温度が熱く感じたり、逆にぬるくて落ち着かない
- ・石けんの泡やタオルの感触が不快
こうした過敏さがあると、お風呂の時間がストレスになり、「お風呂=嫌なこと」 という印象を持ってしまいます。
入浴を嫌がる理由と対策
1. シャワーが苦手
- ・頭から水をかぶるのが怖い
- ・水の音が大きく聞こえて不快
🔹 対策
- ・洗面器でゆっくりお湯をかける
- ・水の音が苦手なら、耳栓や防水ヘッドフォンを使う
2. お湯の温度が気になる
- ・熱いと感じやすい、逆にぬるいと落ち着かない
🔹 対策
- ・ぬるめ(38~39℃)の温度に調整する
- ・湯船に入る前に手や足から少しずつお湯をかける
3. 触覚が過敏
- ・石けんの泡やタオルの感触が嫌い
🔹 対策
- ・手でやさしく洗う
- ・石けんを使わず、お湯だけで洗う日を作る
お風呂を楽しくする工夫
- ・好きな入浴剤を使う(香りや色で楽しめる)
- ・防水のおもちゃを使う(遊びながらリラックスできる)
- ・お風呂の時間を短くする(最初は5分程度からスタート)
まとめ
発達特性のある子どもは、感覚過敏の影響で入浴が苦手なことがあります。無理に入れようとせず、少しずつ慣らしながら、リラックスできる環境を整えることが大切 です。
「学校に行く時間が迫っているのに、まだパジャマのまま…」
「カバンの準備をするように言っても、何度も別のことを始めてしまう」
「玄関に向かっているはずなのに、靴を履くまでに5分以上かかる」
朝の支度やお出かけ前の準備がスムーズに進まず、つい「早くしなさい!」と声を荒げてしまうことがあるでしょう。しかし、何度言ってもスピードが変わらないどころか、注意すればするほど、ますます動きが遅くなってしまう…。こうした「したくが遅い」問題に悩んでいるお母さんは少なくありません。
ただ、発達特性のある子どもの場合、「のんびりしている」「やる気がない」というわけではなく、時間の感覚がつかみにくい、注意の切り替えが苦手、段取りを考えるのが難しい などの理由で、したくが遅くなってしまうことがあります。
1. 時間の感覚がつかみにくい
発達特性のある子どもは、「あと5分で出発するよ」と言われても、その「5分」がどのくらいの長さなのかを実感しにくいことがあります。大人にとっての「5分」は短い時間に感じられても、子どもにとっては「まだ余裕がある」と思ってしまい、結果としてのんびりしてしまうことがあるのです。
2. 注意の切り替えが難しい
例えば、朝ごはんを食べ終わった後、「次は着替え」とスムーズに行動を移せる子もいれば、「食べ終わったら、つい机の上の本を読んでしまう」「お気に入りのおもちゃを見つけたら、それで遊び始めてしまう」という子もいます。これは、注意の切り替えがうまくできず、「次に何をすればいいのか?」がわからなくなってしまうこと が原因かもしれません。
3. 段取りを考えるのが難しい
「着替えて、歯を磨いて、ランドセルを準備して…」といった一連の流れを頭の中で整理するのが苦手な子どももいます。次に何をするべきかが分からなくなり、結局「何もしないまま時間が過ぎる」 ということになってしまうのです。
1. 視覚的に「何をするか」を見える化する
口頭で「次は歯磨きだよ」と伝えるよりも、「やることリスト」を作って、絵や写真で順番を示す ほうが、子どもにとって分かりやすいことがあります。例えば、
このようにリスト化し、一つずつ「終わったらチェックを入れる」と、達成感を持ちながら進められることがあります。
2. タイマーを活用して「時間の見える化」
「5分で支度してね」と言うだけではなく、タイマーや砂時計を使い、「時間の流れ」を可視化 すると、子ども自身が「今どのくらい時間が残っているのか」を把握しやすくなります。特に、デジタルのカウントダウンタイマー よりも、砂時計やアナログ時計のほうが、直感的に理解しやすい ことが多いです。
3. 「一緒にやる」時間をつくる
子どもに任せっきりにするのではなく、「じゃあ、お母さんと競争ね!」と言いながら一緒に支度をすることで、モチベーションが上がることもあります。「お母さんが先に着替え終わるかな?」「歯磨きレースをしよう!」とゲーム感覚を取り入れる のも効果的です。
4. 「〇〇の前にやる」というルールを決める
「テレビを見たら着替える」ではなく、「着替えてからテレビを見る」のように、「〇〇の前にやる」 というルールを決めると、次にやるべきことが明確になり、切り替えがスムーズになることがあります。
例えば、
このように、行動の順番をルール化すると、「何をすべきか?」を考えなくても、自然に流れができるようになります。
5. 余裕を持たせたスケジュールを作る
「したくが遅い」子どもにとって、「7時30分までに支度を終わらせる」というルールだけでは難しいことがあります。そこで、あらかじめ 「ゆとり時間」を含めたスケジュール を組むのも一つの方法です。
例えば、「着替えに5分」「歯磨きに5分」「カバンの準備に5分」 と、少し多めの時間を設定し、「最後に10分の余裕時間を作る」と、焦らずに行動できることがあります。
つい「早くしなさい!」と急かしてしまうことがありますが、子どもにとっては、「何をすればいいのかがわからない状態」で言われても、余計に焦ってしまい、さらに動きが遅くなってしまうこともあります。
大切なのは、「どうすればスムーズに動けるのか?」を考え、子どもが自分で進めやすい環境を作ること です。焦らず、子どものペースに合わせた工夫をしながら、少しずつ「したくのスピード」を上げていきましょう。
コラム|視覚情報の整理と空間認識
「うちの子は、よくものをぶつけたり、物の位置がわからなくなる」
「文字を読むのが苦手で、行を飛ばしてしまう」
「整理整頓が苦手で、物をすぐになくしてしまう」こうした困りごとは、視覚情報の整理や空間認識の発達が関係している 可能性があります。
視覚情報の整理とは?
私たちは目から入る情報を脳で処理し、必要なものを見つけたり、形や距離を把握したり しています。この能力が弱いと、
- ・文字を読むときに行を飛ばす
- ・物がどこにあるかわからない
- ・似た形の文字(「b」と「d」など)を間違えやすい
といったことが起こりやすくなります。特に、学校の授業で黒板の文字を書き写すのが苦手 だったり、テストで問題を飛ばしてしまう ことにもつながります。
空間認識とは?
空間認識とは、物の位置関係や距離を把握する能力 です。この感覚が未発達だと、
- ・物にぶつかりやすい
- ・字をまっすぐ書けない
- ・ボールを投げたりキャッチするのが苦手
といった特徴が見られることがあります。また、道順を覚えるのが難しかったり、体育での位置取りが苦手なこともあります。
視覚情報の整理・空間認識を育てる遊び
1. 視覚情報の整理を助ける遊び
- ・パズルや間違い探し で形や配置の違いを意識する
- ・迷路や点つなぎ で目の動きを鍛える
- ・文字カード遊び で似た形の文字を見分ける練習をする
2. 空間認識を育てる遊び
- ・積み木やブロック遊び で立体的な構造を理解する
- ・キャッチボールやフープ投げ で距離感をつかむ
- ・リズム運動(ダンスや縄跳び) で体の動きを空間に合わせる練習をする
まとめ
視覚情報の整理や空間認識が苦手な子どもは、学習や運動だけでなく、日常生活でも苦労することがあります。環境を整え、遊びを通じて楽しみながら発達を促すことが大切 です。
「子育てがうまくいかない」「どうしてもうちの子は他の子と違うの?」――そんな悩みを抱えながら、毎日頑張っているお母さんへ。これまで見てきたように、子どもの困りごとの多くは、親の関わり方やしつけの問題ではなく、発達特性に起因している 可能性があります。
「どうしてできないの?」ではなく、「この子にはどういう特性があるのだろう?」という視点を持つことで、対応の仕方が見えてくることもあります。そして、その手助けをしてくれるのが「療育」です。
「療育」という言葉を聞くと、「特別支援が必要な子どものためのもの」と思う方もいるかもしれません。しかし、療育はすべての子どもにとって有益なもの です。特に、発達の凸凹がある子どもにとって、早い段階から適切なサポートを受けることで、将来の困りごとを減らすことができる という研究結果もあります。
療育の目的は、子どもの特性に合わせた支援を行い、できることを増やし、苦手なことへの対処法を身につけること です。そのためには、家庭での関わり方だけでなく、専門的な視点からのサポートも必要になります。
療育と聞くと、「特別な場所に通うもの」と思われがちですが、実は保育の中に療育の要素を取り入れることも可能 です。そこで注目されているのが、「保育型療育」 というアプローチです。
凹凸凸凹保育園 では、通常の保育に発達支援の視点を組み合わせることで、子どもが日常生活の中で自然に「できること」を増やしていける環境を整えています。 そのため、療育が必要かどうかわからないお子さんや、発達の特性があるかもしれないけれど一般的な保育の場でのびのび過ごさせたいというご家庭にも適した施設です。
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